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交通規制期間を低減できるFRP による鉄筋コンクリート床版延命工法 『FSグリッド』を開発 [栗本鐵工所]

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交通規制期間を低減できるFRP による鉄筋コンクリート床版延命工法 『FSグリッド』を開発

2023/11/01

 株式会社栗本鐵工所(代表取締役社長:菊本一高)と株式会社IHIのグループ会社である株式会社IHI インフラ建設様(以下、IIK社) は、大型車両の交通量増加による繰り返し荷重で傷んだ鉄筋コンクリート床版(※1)の延命工法として、新たに『FSグリッド(FRPサポートグリッド)』を開発しました。
 この新工法は、施工時の交通規制期間を大幅に低減し、かつ軽量なFRP (※2)部材の採用による施工の効率化などを実現することで、同時にCO2排出量と工事コストの低減にも寄与します。

◆特徴
 近年、全国で損傷の激しい床版の大規模取替工事が必要な道路が増加していますが、従来の床版取替工事では、多くの重機を高速道路上に設置して長期間工事を実施するため、交通規制による渋滞や建設機械の使用によるCO2 排出が問題となります。
 『FSグリッド』は、交通規制が難しく床版取替工事が困難な箇所にも適用でき、従来の様々な問題を解消するためにIIKと栗本鐵工所で共同開発した工法です。

主な特徴は以下のとおりです。

  1. 床版の下面に補強材を設置するアンダーデッキ工法のため、工事中でも車両の通行が可能であり、大規模で長期間にわたる交通規制を実施することなく施工が可能。長期間の交通規制による渋滞を大幅に低減。かつ、部材製作期間が短く工期短縮が可能で、工事コストも低減できる。
  2. 主部材(横桁、縦桁)にFRPを使用し、各部材は人力で運搬できるほどに軽量化。これにより、重機の使用頻度が減り、施工時のCO2 排出量削減効果を期待できる。
  3. 既存の床版を活用することで、建設廃材も減らすことが可能。
  4. 疲労以外の損傷(塩害や凍害など)により、将来的に取替えなければならない鉄筋コンクリート床版においても、『FSグリッド』で延命することにより、床版取替え工事の施工時期を調整することができ、工事の平準化を図ることが可能となる。

◆補強効果
 『FSグリッド』は、 鉄筋コンクリート床版の曲げ補強(※3)と、せん断補強(※4)効果が期待できます。繊維シート補強では対処できない程度まで劣化が進行した鉄筋コンクリート床版にも使用可能です。

 IIK と栗本鐵工所は、『FSグリッド』をはじめ、みなさまが利用する道路の安全確保や、FRP製品を活用した技術の開発および向上に取り組むことで、今後とも持続可能な社会実現への貢献に努めてまいります。

(※1)床版:

橋を通行する自動車、歩行者などの荷重を直接支持し、その荷重を主桁に伝達する部材。

(※2)FRP:

Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)の略で、強化繊維と樹脂を組み合わせた軽量かつ高強度な複合材料。

(※3)曲げ補強:

鉄筋コンクリート床版の疲労損傷の過程において、曲げひび割れの進展を抑制することを目的に実施する補強。曲げ補強により、床版下面の引張鉄筋の発生応力が低減する。

(※4)せん断補強:

鉄筋コンクリート床版の疲労損傷の過程において、低下したせん断強度を補うことを目的として実施する補強。せん断補強により、損傷した既設床版のせん断力の負担が低減する。

■ご案内パンフレット(印刷用)

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本件に関するお問い合わせ
株式会社栗本鐵工所 化成品事業部 開発営業部
電話 03-3450-8541

カテゴリ:技術情報